デ・キリコ展

事帰りに大丸に寄って、「巨匠デ・キリコ展」を見て来ました。新聞で見て、興味を持ったので。面白かったです。
たまご型のカオして、三角定規みたいなのをいっぱい腹に詰め込んだ人(笑)が、これでもかというほど繰り返し主題として出て来ていて、よっぽどこのイメージにとり憑かれていたんだな、と思いました。
そういう妙ちきりん(←失礼!)な絵を描く人にしては、自画像が地味かつマトモだったのも、軽い驚き。
展示の説明文には、メタフィジカだのシュールレアリズムだのと難しいことが描いてありましたが、……斜め読みです(*^_^*)。専門的な説明されても、基礎知識が皆無なのでサッパリわかりませ〜ん。威張れたことじゃありませんが。
こういうのは本能で勝負です。ただ、絵の前でこころを開いて、画面から伝わってくるものを受け取れば良いと思う。上手くいけば色々と面白いものが貰えます。


マルクスとかフロイトの出現以来、われわれは事物をいつも裏側からのぞくことになれた。しかし、それによって事物がよくみえるようになったわけではないので、逆にわれわれは事物の「表面」をみる能力をうしなったのであり、「表面」をみすえる努力をするかわりに、べつの意味体系をあてはめてわかったつもりになっているにすぎないのである。
                         柄谷行人『掘立小屋での思考』

展示を見終わったら、いつも記念に絵葉書などを少し買って帰るようにしているのですが、いっっつも私の気に入ったやつは絵葉書になっていないんですよね〜。今回なんて、目を付けてた四枚の絵のうちの三枚がなかったよ。そんなにマイナーな好みかねえ。ちょっと凹みますわ。